谷や川は、どのようにできたのか…?

国土地理院のWEBサイト
「平成30年7月豪雨に関する情報」ページで公開されている
豪雨災害後の立体地図

谷間に、爪を立ててひっかいたかのように
土砂が崩れているのが、よりリアルに分かります。


皆さん、こんにちは!
子ども宇宙アカデミー いとうです。

いきなりの画像、何だ!? 
と思われたかもしれません…。

実は、私いとうは、2018年7月6日の
西日本豪雨で大きな被害があった
広島県広島市安芸区矢野の町民のひとりです。

自宅周辺にも、山から泥水と土砂、丸太が
流れ出て来ましたが、
幸い、自宅は特に被害はありませんでした。

画像は、雨が上がった2日後に撮影したもの。

山を切り拓いて造った団地の土砂
山を切り拓いて造った団地の流木

一方、同じ町内にある夫の実家は
上記、立体地図の川下にあり、
崩れた土砂と水が
途中、あらゆるものを巻き込みながら
流れ下って来て
川を埋め、町を覆ったのでした。

豪雨から4日後の川の中流域


同じころに空から撮影された画像がこちら。

国土地理院による空撮画像

上空から全体像を見ると
周辺地域の山々は、谷という谷、すべて
ひっかき傷がつけられたように
土砂が流れた跡が見えています。

緑の木々が見えているところも
実は、根元の谷間は土砂が流れているのです。


こうして見ると、谷や川を土砂が下って来たことが
一目瞭然ですが、

そもそも、山に降る水が流れて、
地面を削っていったから
谷になり、川になっていったことに
気付かされます。


長い年月を経て、今のような地形ができたという訳ですが
この地域の、有史以前の地形のこと、
地球の営みを前提に、考える必要があるのかもしれません。

私たちは、物心ついた時からそこに谷や川があって…
「地形」とは、そういうもの…と思っていたけれど…


この大地も、実は、「地球」というひとつの惑星の一部で

その地球も、宇宙の中で唯一、
現在、生命の存在が確認されている
とても貴重な天体のひとつである‥ということを。


今は「山」でも、1600万年前の中国山地は
「海」だったとか…

そもそも地球が誕生したのは‥


ヒトの歴史よりも遥か前からある営みの
さまざまな条件が重なって
今の、この「自然」があることを踏まえた上で
「これから」を考えることが肝要…と
思う2018年の暮れなのです。


最初の画像は空撮でしたが
災害状況は、宇宙からも撮影されています。

JAXA 陸域観測技術衛星「だいち2号」
観測した災害直後の様子が、
こちらに公開されています。


「GPM主衛星」「水循環観測衛星しずく」
降雨の状況を観測し、マップにして公開されています。
その激しさが、このデータから読み取れれば良いのですが…
本当に、家の中に居ても相手の声が聴きづらいほど
身の危険を感じる降り方でした。

そして、何より頼りになる「気象衛星ひまわり」
地球の画像は、2017年に打ち上げられた
ひまわり9号が送って来た初画像です。

こうした宇宙からの観測や
地上のレーダーなどによる観測状況を元に出される
「警報」や「勧告」

私たちも、身の安全を守るために
しっかり活用できるようにしたいですね!!

気象衛星「ひまわり9号」が撮影した初画像
気象庁WEBサイトより